can't take my eyes off you

生まれ変わってもこのライトの下へ

僕らは4人でしたけど、岸はひとり。

Endless SHOCKのバックボーン(パンフより)

コウイチ率いるカンパニーについて
「ここでショーを続けているコウイチ率いるカンパニーのメンバーたちには、おそらく帰る場所がありません。
ニューヨークの裏町にひっそりと存在する施設。
そこで育てられたコウイチやヤラ、タツミ、フクダ、コシオカ、マツザキ、リョウタ、ユウタは、ブロードウェイで成功し、自分の劇場を持ったオーナーに引き取られ、まさに家族のように暮らしてきたのだと考えます。
(中略) 
つまりコウイチは、物心がついたときには、もうステージが自分の生きる場所になっていた。
だから、その仲間であり、家族でもあるカンパニーのメンバーのことは、とても大切に思っている。」


『Endless SHOCK』に出演するようになって8年目になるという、松崎くんが語る岸くん。
「山本も岸も『Endless SHOCK』は初めてなので、僕らが引っ張って行かないとという気持ちもある。
特に岸には踊りの部分でも細かくアドバイスしていきたいと思っています。
僕自信初めて『SHOCK』に出演したときはできないことがいっぱいありました。
岸を見ているとその頃のことや、何もできない自分が周りのみなさんのおかげで壁を乗り越えてきたことを思い出すんですよ。
だから、岸にも自分はひとりじゃないんだって思ってもらえるよう、できるだけサポートしていきたいと考えています。」


こっしー先輩が語る岸くん。
「山本と岸が新しく加入して、今回のヤラチームはかなり雰囲気が変わりました。
マツザキとリョウタがおバカキャラで、一番年下のユウタもどう考えても末っ子キャラ。
だとするとヤラチームには誰もしっかり者がいなくなってしまうので(笑)、
僕が演じるコシオカに関してはヤラにも意見が言えるような冷静な役柄のほうがいいのかな、と考えています。
(中略)
(ここから右ページ半分、最後までほぼ岸くんの話しかしてないこっしー。泣)
僕らふぉーゆーはありがたいことにずいぶん長く、この『SHOCK』という作品に関わらせてもらってきました。
でも、最初の頃と今では立場が全然違う。
初年度は、あまりにも覚えることが多すぎることと緊張とで、光一くんともほとんど話せなかった記憶がありますから。
それだけにとくに岸を見ていると、当時の僕らを思い出します。
芝居して、殺陣やって、タップ踏んで、太鼓叩いて・・・。
すごく真面目な子なので毎日必死にやっていますが、正直いっぱいいっぱいだと思います。
しかも、僕らは4人でしたけど、岸はひとり。
きっと心細いと思うんですよ。
だから同じヤラチームの一員として僕と松崎で出来るだけカバーしてあげたい、みんなで協力し合えるのが、カンパニーの良さだと思いますから。

それに岸の存在は、実は僕らにとっても刺激になっているんですよ。
一生懸命やっている姿を見ると、初心忘れるべからずって、まさにこれだなって気づかされます。
その初心とは、今年で1000回を迎える『SHOCK』で演じるにあたって、
絶対に忘れてはいけないことだと思っています。
そう考えると、このタイミングで岸が入ってきたことは、僕らのためにも良かったと思います。
だから、タイトルは『Endless SHOCK』ですけど、僕自身は、また新しい作品をゼロから作り上げていく気持ちで取り組んでいます。」

岸くんを迎え入れてくれる先輩がふぉーゆーで良かったな、と心から思う。
これがまた2、3歳しか離れてない先輩だったら、ここまで俯瞰して岸くんのこと見られる余裕なかったと思うから。
当時の自分たちの状況と岸くんを重ね、
岸くんの心情を手に取るように理解してくれるふぉーゆー。
最高にかっこよくて優しくてアツい先輩の姿を、真面目で一生懸命な岸くんはきっとちゃんと見てる。
岸くんの眼差しの先にいるのがふぉーゆーでほんとに良かった。


座長から岸くんへ。
「ただ、一番大変なのは、やっぱり『Endless SHOCK』初体験の山本と岸。
(中略)
そして、山本以上に課題が山積みなのが岸。
彼は踊りも殺陣も基礎から取り組まなくてはいけない状態なので、相当ハードルが高いと思います。
でも、そんな岸を見ているうちに、劇中のカンパニーの中でも、一番年下になる彼を生かすキャラクターがひらめいた。
コウイチとヤラの関係をヤラと岸が演じるユウタに投影させようと思ったんです。
つまり、ヤラにとってコウイチは追いつきたいけれど追いつけない絶対的な存在であるように、ヤラは自分を目標とする後輩としてユウタを見ている。
この物語の中のヤラは、コウイチがいるから自分はトップになりたくてもなれない
と考えている未熟な人物なんですが、そういう人間は自分を上に置きたがるもの。
そんなヤラの心情をヤラとユウタの関係性を通して描いてみようと考えたんです。
とはいえ、ユウタ自身がヤラを本当に目標とする先輩として見ているかどうかは、また別のこと。
実はユウタがヤラをどう思っているのかは、舞台を観て確認して頂きたいですね。
それを岸がしっかり表現できるかどうかも含め、
彼にとっては壁だらけであることは間違いないと思っています。
けれど、稽古から真面目に取り組んでいるだけに、その壁を岸が自分の力で乗り越えて、一皮剥けてくれればいいと思っています。」


最後に屋良っち。
「山本と岸という新しいキャラクターも加わったので、そこは白紙からのスタート。
特に岸は最年少で舞台経験も浅いから大変だとは思いますが、
せっかく選ばれたからには頑張ってほしいと思っています。
(中略)
光一くんは全体を俯瞰で見ることが出来る人なので、一生懸命取り組んでいる人間のことは、ちゃんと認めてくれますから。」

最後の一文にぐっときた。
ふぉーゆーも、光一くんも、岸くんのことを真面目で一生懸命と表現している。
屋良っちも遠まわしにそう言ってくれたのかな、と。岸がんばれ!と。

岸くんはきっと大変だと思う、と口々に先輩方は言っておられますが、
かといってそんな岸くんをみんなで支えていこう!というニュアンスは先輩方のインタビュー全体を通してあまり感じられません。
それは裏返せば、岸もカンパニーの立派な一員、と岸くんのことを大事なカンパニーの一人として平等に捉えてくれているからなんじゃないかと思いました。
最年少だからといって特別扱いはしない、と。
岸くんのためを思い、岸くんに大いに期待してのことだと思います。
大勢の中のひとりではなく、主役に並ぶ役どころを与えられている以上、
ついてくるだけでは足りなくて、先輩たちに並ばなくてはいけない。
岸くんならきっとできる。
試練はそれを乗り越えられる者にしか訪れない。
この言葉を本気で信じられるくらいには、
帝劇の舞台に立っていた岸くんは、すでに立派なSHOCKカンパニーの一員でした。


そして、岸くんのインタビュー
「実際に稽古がスタートして、『Endless SHOCK』のすごさを実感させられる毎日です。
踊りからして、今まで僕がやってきたことと比べると、信じられないくらい全員が揃っているんです。」

岸くんが言う、「今まで僕がやってきたこと」を一緒にやってきた子たちに、
SHOCKで感じた衝撃を、戻ってきたらぜひ伝えてあげて欲しい。
そうして還元することが岸くんの使命だと思うし、せくばが一皮むけて次のステージに進むには、岸くんの力が必要です。
岸くんはきっと、せくばのみんなより2歩も3歩も先に進むことになる。
そして、まだ自分より後ろを歩いているせくばに戻ってくることになります。
(岸くんはせくばに戻ってくること前提で書いてます)
SHOCKをやり遂げた岸くんがいる場所までせくばの底を引き上げることがきっと、岸くんが負う使命。
SHOCKを走り抜けたあとの岸くんになら、できると思っています。

怪我なく、無事に走り抜けられますように。